落ちぶれた脚本家・ベン(ニコラス・ケイジ)は酒に溺れる毎日を送っていた。酒のための借金から友人を失い、信頼を失い、ついには仕事も解雇されてしまう。しかし、同時に多額の退職金を手に入れたベンは、ロスを離れてラスベガスへ向かった。ロスと違い24時間どこでも酒が手に入るラスベガス。ベンはそこで、酒に溺れて自分を殺そうと企むのだった―…。
自身もアルコール依存症だったジョン・オブライエンの小説を映像化したラブ・ストーリー。


ニコラス・ケイジに惹かれて鑑賞。とても良かったです。
アルコール依存症のことを、私はよく知らないけど、原作者が同じ病気だったということは、作中の細かな描写は現実に近いんだろうね。

小説原作だけに、作中のセリフは独特でおもしろい。そこも楽しかった。
私はお酒を飲むと頭が回らなくなるけど、この映画の原作者は、酒を飲んでもここまで書けるのだから、飲まなかったらもっとすごそうだよね。
とは言え、飲まなければもっとすごいものが書けそうだからとか、体に悪いからとか言って、酒をやめさせようとするのも、彼らにとっては押しつけがましいんだろうか。

「僕はアルコール依存症だ。だからと言って、自分のねじれた心を君に押し付けたりしない。君は娼婦だけど、やめなくていい。悲しいけど事実だ」

ベンのこのセリフには、“ありのままの自分を受け入れてほしい”という作者の希望が表れている気がします。
ベンは自分が変化を押し付けられたくないから、サラ(エリザベス・シュー)のありのままを受け入れたみたい。サラがベンを愛したのは、それをわかっていたからじゃないのかな。変な話だけど、サラは“ありのままの自分”をベンに合わせて演じていたっぽい。


この映画を見ながら、自分の大事な人が同じ状態になったとき、私はどうするのか考えてました。
多分、サラのようにありのままを受け入れたりしない。状況を改善しようとする。
でもそれは、相手のためでもあるけど、自分が相手の状態に振り回されたくないからでもあって、自分の状態が悪いことで相手が憂鬱になるのに付き合わされるのが嫌だからでもあって、どっちが理想的なのかなーなんて、考えてしまいました。



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