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どんな動物だって獲物になるけど、人の肉とは比べものにならない

…というわけで、今日はこの本を読了しました



以前感想を書いた『襲撃者の夜』の前編です。
知らずに買って続編から読了してしまったので結末わかってしまってたんですが、それでもおもしろかった。充実した時間でした。

意外なことに、ケッチャム作品というのはホラーであり、ミステリーでありながら育児書なんだね。その事実に気付いて驚きました。
怖さを楽しみながら、一方で人生の肥やしになる学びもある。こういう作品を手軽に楽しめるっていうのは、ほんとにありがたいことだね。


地下室の箱』、『襲撃者の夜』に続く三作目の金子氏翻訳ケッチャム作品なんですが、この『オフシーズン』にはこれまで読了した作品にあったうるささ(説明の多さとか)がなくて、テンポ良く読めました。それに、他作品では目に付いた誤字もなかった(これは気付かなかっただけかも?)。
これは原文のムードの違いなのかな?私は英語が読めないので比較できないんですが、『オフシーズン』のような翻訳の方が読み易くてありがたいです。


それにしてもなんだか不思議な本でした。本のちょうど半ばくらいかな。それまで(食人族含む)登場人物の背景を描いていたストーリーが、ことの始まりから坂道を転げるように加速するんですよ。それでもう最後は落下するような感じでエンディングにぽーんって放り込まれるんです。
それがね、後味のいいストーリーではないけど爽快なんです。ページをめくる手が止まらないあの感覚。ケッチャム作品は麻薬みたいです。一度ハマったら止められない。
だけど、麻薬と圧倒的に違うことがある。それは味わうことで、これからの人生を何倍も豊かにできること。
本当に素晴らしい作家です。ピーターズが酒場でのリディアの行動に対して抱く見解。「犬を溺れさせるよう“育てた”連中が善人とは思えないんだよ」。私たち大人が後続の世代に大きな責任を持っていることを気付かせて、襟を正させてくれる。
ストーリーは元よりホラー小説でこれができてしまうことに感動しました。俗には教育に悪いとされているジャンルなのにね。本当に驚きます。

ケッチャムの後書きもおもしろかった。
私の予想が当たってたら、この“大人の事情”は『襲撃者の夜』でも発動してるんじゃないかな?
序盤のフラグや話の展開を見ると、ケッチャムとしてはその方向で話を進めてたっぽく思うんですよ。それが違ったので「あれ?」って思ったんですよね。
読者を楽しませるための演出だったのかもしれないけど、ケッチャム作品であそこまで演出してのラストとなると、ちょっと不自然な感じだよね。



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誕生日 1月1日
系 統 キレイ目系
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